6年間、寒冷地仕様だと信じて乗り続けたハイエースの蓋を開けたら空だった話

雑談

「寒冷地仕様、27,000円なり」の男が語る、6年越しの疑惑

一人親方の大工として働いて20年近くになる。現場に出て、木を刻んで、汗かいて、飯食って寝る。そういう生活をしてきた俺が、まさか自分の相棒であるハイエースに6年もの間、静かに裏切られ続けていたとは思わんかった。

いや、裏切ってたのは俺の方か。


2019年、27,000円の「安心」を買った日

2019年の春、俺は新車のハイエースを買った。200系、4WD、ディーゼル。大工道具もたっぷり積めるし、現場までの道が雪で荒れてても余裕で走れる、そんな一台が欲しかった。

一度契約書にサインしてから、寒冷地仕様というオプションがあることを知った。「今からでも追加できますか?」と営業に聞いたら「できますよ」と言われ、契約し直した。

「カンレイチショウ 55B 27,000円」。

自分から追加したオプションや。その日から俺は「寒冷地仕様の男」になった。


6年間、俺は何を信じてたんか

納車されて最初の冬。「ええな、バッテリー2個やしな」と心の中でほくそ笑んだ。

ミラーヒーターのボタン?どこにあるかよくわからんかったけど、「自動で発動するんやろ」
ドアが凍って開かないようになるのを防ぐモールがついてるって・・・どれ?
「まあ、ええかあ」と思った。

6年間。6回の冬。俺は「寒冷地仕様の男」として、何の疑問も持たずに乗り続けた。


事件は突然やってくる——バッテリー上がり

先月のことや。朝、現場に向かおうとしたら、エンジンがかからへん。

「あ、バッテリー上がりか」

寒冷地仕様やからバッテリー2個あるはず。ということは……2個同時に替えることになるんか。出費でかいな……と複雑な気持ちを抱えながら、オートバックスへ持ち込んだ。

店員さんに言った。

「寒冷地ディーゼルやから、バッテリー2個あるはずなんですよ。両方見てもらえますか」

店員さんは丁寧にあちこち覗き込んで、しばらくして戻ってきた。

「……どこ見ても、バッテリー1個ですよ」

俺は思った。「見つけにくい場所にあるんやろ」と。

「いや、もう1個あるはずなんで、もうちょっと探してみてもらえますか」

店員さんは困惑しながらも再度確認してくれたけど、やっぱり1個。俺はなんとなく腑に落ちないまま帰宅した。


帰宅後のYouTube捜索——そして「蓋」の存在を知る

家に帰って、すぐYouTubeで調べた。「ハイエース 寒冷地仕様 バッテリー 場所」。

出てくる出てくる。「運転席の後ろの床に蓋がある」「その下に2個目のバッテリーが入ってる」という動画が。

「そこか!!」

意気揚々と車に乗り込んだ。運転席後ろの床を確認する。たしかにある、蓋が。

この蓋の下に、6年間俺を守ってきたはずの、もう1個のバッテリーが眠っているはずや。

俺はゆっくりと、蓋を開けた。


空だった。

蓋の下には、バッテリーを設置するためのトレーだけがあった。

バッテリーは、なかった。

何もなかった。

スペースだけが、静かにそこにあった。

しばらく俺は、その空っぽの空間を見つめ続けた。現場で「やっちまった」と思う瞬間は何度もあったけど、この静けさはちょっと違う種類のやつやった。

「……6年間、何を信じてたんや俺は」


契約書には、ちゃんと書いてあった

まさかと思って家に帰り、押し入れの奥から購入時の書類を引っ張り出した。

あった。

「カンレイチショウ 55B 27,000円」

ちゃんと書いてある。自分から追加したオプションや。間違いない。

ということは、ディーラーの付け忘れか?発注ミスか?それとも俺が何か勘違いしてるのか?

正直、まだよくわかってない。


オチ:まだディーラーに行けてない

あれから数週間が経つ。

怒り、は……正直そんなに湧いてこない。バッテリーが1個でも6年間普通に動いてたし、2個あったら2個でメンテ代もかかる。「まあそれはそれでええか」という気持ちもある。

ただ、27,000円は払ってる。それは事実。

だから「ディーラーが誠実に対応してくれるなら、まあええか」で終われる話やと思ってる。逆にしれっとされたら、そこで初めて怒るかもしれん。

続報はディーラーの返答次第。たぶん、オイル交換のついでに聞く。たぶん。


同じハイエース乗りで「あの蓋、開けたことないわ」という人、今すぐ確認してくれ

そんな奴おらんやろうけど・・・

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